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0 views • January 18, 2019

香港に新たな海外移住ラッシュが到来か

かつて「東洋の真珠」とうたわれた香港は、生粋の香港人の目には、もはや昔の輝きが失われつつあると映っているようです。香港人は中国共産党の圧政のもとでなすすべがなく、抗議活動の制圧もありふれた光景となりました。返還後50年間は香港人による香港の高度な自治が行われるとされ、期限まであと29年が残されていますが、香港に新たな海外移住ラッシュが到来する兆しが見られます。 1997年の香港返還前、未来への恐れと不安から、香港では5年間にわたり移住ラッシュが起こり、少なくとも50万人が海外に移住しました。 途中で香港人の「香港回帰」現象も起きましたが、返還から20年が過ぎた今、香港の現状に幻滅している人は少なくありません。 ウォールストリート・ジャーナルは先日、市民の自由や生活水準、生活の質に対する人々の憂慮が高まるにつれて、新たな移住ラッシュが起きる兆しがみられると報じました。北京当局が2014年に起きた民主化要求デモ「雨傘運動」の関係者を抑圧して以来、すべての香港人が、抵抗しても無駄だと認識していると報じました。 前香港立法会議員 単仲偕(シン・ジョングカイ)氏 「民主化を勝ち取ろうと、4年前に雨傘運動が起きたが、香港人にも不可能だった」 香港大学の学者、葉兆輝(ポール・イップ)氏は「1997年までは、人々は主権が移譲される前の「不確かさ」に対して憂慮していたが、現在はその不安が「確かなもの」になったために香港を離れようとしている。彼らは経済の繁栄が多くの人に恩恵を与えないことに希望を失った。もしくはこの都市で絶えず変化する政治情勢に絶望を感じている」と語っています。 ギャラップ調査による昨年の調査で、香港の希望指数が35ポイント下がり、「世界で最も悲観的な地域」ランキングで5位になったことが明らかになりました。 また、ウォールストリート・ジャーナルはデータを分析し、カナダに移住した香港人の数が過去10年で2倍になったと指摘しています。 さらに香港のある大学の最新調査により、調査対象者の1/3が、チャンスがあれば海外へ移住したいと答えたことが明らかになりました。この中の16.2%はすでに海外移住の準備を始めているといいます。 中国で政府に対する陳情を行い、その後香港に移住した湖北省襄陽市(じょうようし)出身の王艶(おう えん)さんは、現在の香港は以前の香港ではなく、段々と中国本土のようになってきたと語っています。 香港に移住した湖北省出身の王艶さん 「香港の法律も、裁判所も、警察であろうともみな共産党だ。デモも大きく変化し、参加者も前のように多くない。彼らはデモに参加して発言しようとする人たちを統制している。彼らに起訴されて裁判になったら、すべて投獄される。かつてセントラル(中環)を占拠して民主活動を行った学生はすべて仕返しされている。主催者だった戴耀廷は投獄されそうだ」 前香港立法会議員の単仲偕(シン・ジョングカイ)さんは、カナダや英国、ニュージーランド、オーストラリアへの移住のほか、台湾への移住を希望する香港人も少なくないと述べています。単(しん)さんは新たな移住ラッシュは、香港人の逃避行為とも、新たな活路を見出す行為とも言えると考えています。 前香港立法会議員 単仲偕(シン・ジョングカイ)氏 「主な理由は、過去20年で一国二制度が香港人の中で崩壊してしまい、香港の未来は悪くなる一方だと感じていることだ。中国共産党は香港にさまざまな影響を与え、香港にもともとあった核心的価値観を破壊し、汚職問題によって法治体制も破壊された。中国当局が香港に与えた影響で、香港人の抱える不満が極限に達してしまった」 ウォールストリート・ジャーナルは、中国当局の影響力はいたるところで日増しに高まり、当局を批判する書籍が書店から次々と姿を消していると指摘しています。また、香港交易所の上場企業の大部分が中国資本で、北京官話(かんわ)が広東語を凌駕しているとも報じています。 過去2年間で香港政府は議事の手順を理由に一部民主派議員を議会から締め出し、次に香港民族党を取り締まり、民族党のリーダーを招聘した西側のジャーナリストを追放しました。また、香港政府は過去数年にわたり一貫して、最終的には「基本法」23条を制定すると示唆しています。反体制派や異見者を取り締まる為の法律であるこの23条をめぐり、過去には香港人50万人がデモに参加し、抗議活動を行いました。 こうした状況の中、香港の不動産価格は値上がりを続け、打つ手がない状態です。香港の不動産価格水準は世界トップクラスです。 前香港立法会議員 単仲偕(シン・ジョングカイ)氏 「香港の若い世代は、特に仕事や住宅を探すのがとても難しい。すぐに解決できるとは思えない」 51歳のクリス・ローさんは台湾移住を申請した理由に、香港政府が2014年の雨傘運動で譲歩を拒否したことを挙げ、「1989年に香港で天安門事件への抗議活動に参加した時、中国共産党は遠く離れたところにあると感じていたが、ここ数年で北京がだんだん近づいている。希望は日に日に消えていっている」と語っています。 香港のヘッジファンドマネージャーで民主活動家の銭志健(エドワード・チン)さんは「鄧小平の『返還後50年間は、香港は変わらない』という発表は幻だった。邪悪な腕が伸びて香港に災いをもたらしている。返還前には移民ラッシュが起きたが、現在の香港人は疲れはてて逃亡ラッシュを起こしている。香港に対する未練を捨てる決心がついたなら、海外に行って、香港のために声を発してほしい」とメッセージを発しました。
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